フタゴログ ~if あなたの人生は私が選択しなかった人生~

双子の姉妹が交換日記的に日常をつづるブログ

高校生の頃の思い出の一冊「創竜伝」

こんにちは、さいとうゆかです。

高校生の頃(気づけば約20年前~!)学校の図書室で本を借りて読んでいました。高校の図書室なのにライトノベル的なものがそろっていて、図書室をきっかけに読み始めた本が結構あります。
たいした広い図書室でもないのに、専門の司書さん(?)がいて、ほぼその人の好みで図書室の本の並びが決まってるんじゃないかという感じでした。

その図書室で一番目立つ貸し出し口のすぐ近くにおいてある回転棚(くるくる回る本屋さんでよく子供用のアニメ画の絵本が刺さってたりする棚)に刺さっていた本が講談社ノベルス版の創竜伝でした。

いわゆる新書サイズの本で表紙イラストが天野喜孝さん。
天野喜孝さんはファイナルファンタジーのキャラクターデザインをしている人ということで知ってはいたのですが、まぁとにかくぱっと見ホラーな感じでおどろおどろしい(ごめんなさい!)し、当時新書サイズの本というのもよく知らなかったので

「なんか大きめのおどろおどろしい本がすごく目立つとこに置いてある…。」

と思って、しばらくの間スルーしてました。

図書室で本を借りるのに慣れてきた頃、面白い本を見つけるのは難しい、誰かおすすめしてくれないかな…と考えていたら敬遠していた「創竜伝」がまた目に留まりました。
ここまで目立つところにずーっと置いてあるってことは「高校生にコレを読んでほしい!」という司書さんガン押しの作品なんじゃないか!?
おそるおそる借りて読みました。

「えー!?なにコレー!面白ーーーー!!」

おどろおどろしい表紙(いやでも当時ホントにそう思ったので、ごめんなさい…)
と中身がまったく想像できないタイトルに「どんな内容なんだ…」とドキドキして読み始めてみたら、表紙イメージとは全く違ってました。

簡単にあらすじを説明すると、

竜堂家の長男始(はじめ)は頑固モノで厳しいが弟思いの高校教師、
次男続(つづく)は美形で冷淡な毒舌家兄だけには絶対服従の大学生、
三男終(おわる)運動神経抜群の腕白坊主中学生3年生、
四男余(あまる)おっとりやさしい(天然毒舌)中学1年生。
一見名前以外はなんの変わったところも無い普通の兄弟だと思われていたが、四男の余が謎の男に襲われたことをきっかけに四兄弟は超人的な力を発揮。
実はこの四兄弟は古代中国の神話に出てくる四海竜王の子孫であり転生した姿であった。
迫りくる謎の敵との戦いで、竜堂四兄弟の前世の過去や能力が少しずつ明らかになっていく。

という感じなのですが…
まず、「名前ー!!」って感じですよね。うん。もう、最初のイメージがガラガラと音立てて崩れた。
読んでいると各所に笑い、そして考えさせられる鋭いセリフがあってあっという間に読んでしまいました。
とにかく登場人物がとっても魅力的で主人公の四兄弟はもちろん、敵側も超個性的。
怒涛の展開、登場人物がみんな結構な毒舌家で、ズバズバ言ってくれるのがとても気持ちがいい。
Wikipediaで「作者の現代日本社会に対する批判が最も直接的に表現されている作品でもある」と紹介されているのが納得です。

竜堂四兄弟は全員お気に入りですが、三男終(おわる)の

「例えば、始兄貴みたいに歴史が好きな人間が世界史の先生になるだろ。
でもって数学の得意な奴が数学の教師になるだろ。
世界史の苦手な生徒や、数学の嫌いな生徒の気持ちが分かると思う?」

のセリフに当時数学が超苦手で「そうだよね~!!」と激しく同意したのがいい思い出。

竜堂家家訓「恩は二倍にして返せ、怨みは十倍にして返せ」

もすごく印象に残っています。怨みも十倍にして返しちゃう!

創竜伝一巻を借りてからすぐ、図書室でどざどさーっと残りの巻を借りたとき、図書室の司書さんは「思惑通りー!!!」と思ったに違いない。
その後挿絵がCLAMPさんで文庫化されて、同級生の友達にもブーム到来。
私は小説しか読んだことがないのですが、その後ドラマCDやアニメ化しています。

創竜伝をきっかけに「アルスラーン戦記」など次々借りて読んだのがいい思い出です。

ちなみに天野喜孝さんの絵は好きです!ホラーが苦手なだけで画集持ってたし!ホントだよ!

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